半導体光触媒がホウ素化反応を実現

2023年8月30日

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中国科学院、李源著

中国科学院（CAS）大連化学物理研究所（DICP）のダイ・ウェン教授率いる研究グループは、N-複素環カルベンボラン（NHC-BH3）を含むボリル化反応を、シンプルかつ効率的な不均一系光触媒を用いて実現した。このシステムにより、ヒドロホウ素化やホウ素置換生成物などの高価値変換の合成が可能になります。 彼らの研究は、8月9日付けのAngewandte Chemie International Editionに掲載された。

NHC-BH3 は、その安定した化学的特性と簡単な調製方法により、フリーラジカル ボリル化反応における新しいホウ素源です。 しかし、NHC-BH3 の応用は、大量の有害なフリーラジカル開始剤と、高価でリサイクル不可能な均一光触媒の必要性によって妨げられています。

この研究では、研究者らは不均一光触媒として、容易に調製できる硫化カドミウムナノシートを使用した。 そして、それらは NHC-BH3 をホウ素源として機能させ、室温および光条件下でさまざまなアルケン、アルキン、イミン、芳香族 (ヘテロ) 環、および生物活性分子の選択的ホウ素化反応を可能にしました。 変換プロセスでは光生成された電子正孔対が十分に利用されるため、犠牲剤の必要性がなくなりました。

さらに、彼らは、光触媒システムがグラムスケールのスケールアップを達成できるだけでなく、触媒を複数サイクル行った後でも安定した収量を維持できることを発見しました。 また、リサイクル可能な汎用プラットフォームとしても機能し、回収された触媒がさまざまな種類の基材に触媒作用を継続できるようになります。

「私たちの研究は、NHC-BH3をホウ素源として使用するフリーラジカルホウ素化反応の開発に新しいアイデアを提供します。また、反応から得られる有機ボランは、ヒドロキシル、ホウ酸塩、およびジフルオロボランの反応部位を含む合成ビルディングブロックの合成に使用できる可能性があります。」ダイ教授は言いました。

詳しくは： Fukai Xie et al、N-複素環式カルベンボランと異種半導体光触媒によるアルケン、アルキン、イミン、アレーンおよびヘテロアレーンの容易なボリル化、Angewandte Chemie International Edition (2023)。 DOI: 10.1002/anie.202306846

雑誌情報:応用化学国際版

中国科学院提供